【こころが弾む からだが弾む】

『お・お・き・く な・あ・れ』の公演より

子育て支援にも携わってらっしゃる担当者さんが伝えてくださったエピソード。


午前中、別作品の会場で、人形劇が始まってもソワソワザワザワ、立ち上がったり、ウロウロしたり、ちっとも集中してくれなくてと

途中で出てきてしまった親子さんがいたそう。
役者さんのじゃましちゃって、他のお客さんに迷惑かけちゃってと、お母さんの方が泣きそうな顔だったとのこと。

そんな親子さんがたくたく堂の『おおきくなあれ』は最後まで見終わってから笑顔で出てきたって。

あの親子さんにとって人形劇まつりがイヤな思い出だけにならずにすんだわ。
良かったねぇ。ありがとうねぇ。って。

このエピソード、とっても嬉しくて。ありがとうと言いたいのは私たちの方。


じゃぁ、『おおきくなあれ』ではそのお子さんはじっと座って集中して見てたかというと、実はそういうわけではなくって。

やっぱり、そのお子さんはウロウロしてたし、立ち上がったりもしてたん。

違ったのは、そのお子さんを他のお客さまも一緒になって温かく見守って下さったこと。


彼がウロウロしてたのは舞台上のあれやこれやが気になって近くで見たかったからで

跳び跳ねてたのは、心が弾んで、体も一緒になって弾んじゃったんだよね。
きっと。
彼なりに見てい、感じてたんやと思うん。彼なりの集中やと思うん。

うちの子たちも小さい時はそんな感じだった。

小さい人たちは、こころとからだの距離が近いんやよね。
こころとからだがつながってるからこその見方なんじゃないかな。

そんな見方があってもいいじゃない。そんな見方を保証してあげたいなぁって。

そんな私たちの思いを客席のみんなが受け止めて、
大きなこころで我が子もよその子も一緒になって見守り、包み込んでくださったからこそ。


「おおきくなあれ」とタイトルには子どもたちの成長を願う思いもあるけれど

子どもたちを取り巻く大人もおおきな心になれるといいなぁって。
わたしもおおきなこころでありたいなぁって。
そんな思いが込められてるん。

『おおきくなあれ』は私たちにとっても初めての試みがいっぱいのまだまだ試行錯誤の作品。

人形劇から始まる集中と心地よいザワザワとをいかに両立させるか
まだまだ課題はいっぱいだけど、上演する度に気づきがある作品
真摯に向かい合って磨いていきます。